ミックスマスター小説【Snow White Fight Episode3】

虚との戦いが始まった

ルートは牢屋の扉を先に壊し、それから戦いへ参戦した

ルートが加わった瞬間、虚が本気を出した

強大な気の力に吹っ飛ばされる騎士達

だが騎士に選ばれた人はどいつもこいつも選びぬかれたプロ、壁に叩き付けられる様なヘマはしなかった

吹き飛ばされずに居たのはルート、アルテミス、華鈴の3人だった

“どうやら本気を出したみたいね、ルート、どうする?”

華鈴がルートに問う

“相手が本気なんだ、こっちも本気を出さないと失礼だな

もっとも、ピーッ相手に本気を出すとやばそうだが(笑)

姉さん、騎士団とあの人達を連れて嘆きの廃墟から離れてくれるか?

本気を出す以上、暴走するかも知れん”

ルートが言うと

“わかったわ、でも少し時間が掛かるわ、避難が完了したら

テレパシーで教えるからそれからよ?”

アルテミスが言い、騎士たちを撤退させる

華鈴は去り際に“・・・死なないでね・・・”と言った

ルートは心の中で「俺が死ぬ?バカな事を言うんだな・・・」と呟いた

虚は攻撃することも出来た、だが攻撃しなかった

1対1の戦い、邪魔者が去ると言うのならそれを待つという事だ

そしてしばらく経つと・・・

【ルート!こっちは避難が終わったわ!戦っていいわよ!】

アルテミスがテレパシーで言ってきた

ルートはそれを聞き取るとメテオニックソードを構えた

虚はお、やっとか。と言うような感じで構えた

ルートは3対の翼を広げ空を舞う

虚も自身の巨大な羽を使い飛び立つ

オッフェン海岸からも見える沈黙の塔の最上階

その最上階で爆発が起こり、二つの影が飛び出した

一つはルート、もう一つは虚だった

ルートの剣は両手剣の中でも超重剣に分類される

そのため若干空中での制御が難しいのだ

虚は先制のブレスを数発吐き出す

ルートはメテオニックソードを回転させブレスを防ぐ

その弾いたブレスが地上に居たモンスター達を襲う

それをオッフェン海岸から見つめるアルテミスたち

ふとはっとしたような顔をしてクリスがいう

“あの能力が伝説の通りだったならもしかして・・・

ルートさんの力の根源は祈りの筈・・・あの姿はまだ完全ではないのに・・・”

それを聞いてアルテミスが言う

“ルートの力の根源が祈り!?それじゃ祈りの力無しにあんな戦いをしてるって事!?

あのバカ・・・無茶しすぎよ・・・”

華鈴が言う

“祈りましょうよ、ルートの力の源が祈りなら

騎士団全員が祈れば相当な力を得られるはずだし”

クリスがそれに反応する

“ええ、祈る人数が多いほど力が増幅されます

元々ルートさんたちの一族と私の一族は2つの種族が揃って始めて

真の力を発揮します、私は祈りを力に変換し、贈る力を持っています”

騎士団全員が祈りを始めた、それとほぼ同時にクリスの合掌した手が光り始める

ルートは身体の異変を感じた

“・・・なんだ?力が更に湧いてくる?何故?まぁいい、今は目の前の敵に集中する!”

異変を気にする余裕はなかった

ルートはダーク状態でしか使えなかったアルティメットダークジャッジメントレイを使う為

力を貯め始める、それとほぼ同時にルート自身に八芒星の魔法陣が発現

更にルートの八芒星の八つの角の先に少し小さな八芒星が出現する

それぞれの八芒星の中心と八つの角に小さな光球が見えるようになってきた

“上手く撃てるかどうかは知らん・・・とにかく撃つ!

喰らえ!アルティメット・ジャッジメント・レイ!”

虚は既に防御体制に入っていた、だがルートはそれに対しお構い無しに発射する

ヴァンッ!

大気を切り裂く凄まじい音と共に各八芒星から光が放たれた

虚は防御体制を解き、回避行動を始めた

行動理由は一つ、今までのジャッジメント・レイとは明らかに異質のエネルギーが発射された事だ

ルートは発射時全ての能力を解除し「それ」を撃つ為にエネルギーを全て費やす

そのため飛行を続けられなくなるのだがルートに発現した八芒星が足場の役割をし

更なる攻撃をすることが可能になった

一方、追尾性を持つアルティメット・ジャッジメント・レイは執拗に虚を、確実に狙っている

虚はわざと失速し落ちて初弾を回避し、再度加速から高速旋回する事により2発目も回避した

虚はさらに残る追尾性レーザーであるアルティメットジャッジメントレイを身体をロールしながら左右にずらす事で回避する

虚はほっと胸をなでおろした

“甘いな!喰らえ、フルパワーのジャッジメント・レイだ!”

ルートの方を虚が見たときには既にルートの両手から2発のジャッジメント・レイが発射されていた

虚は何とか1発かわすがもう片方に右腕を持っていかれた

いや、正確には右腕の感覚を持っていかれた

痛みは無く、腕もちゃんとある、だがぴくりとも動かない

虚は直感に従い動かない右腕を抑え全速力で逃げ出す

ルートはアルティメット・ジャッジメント・レイを発射する時に上空に放ったメテオニックソードを取り

虚の逃げる方向へ一気に加速する

その時メテオニックソードが二つに分かれ、その付け根から光の刀身が現れた

ルートはその光の刀身からテレパシーを感じた

“我が名は光の神剣、ホーリー・メテオニックソード

汝の望みに答え、敵を打ち破らん”

そのテレパシーが途切れた時、光の刀身が延び、虚を貫く

そのままルートが剣を振ると遥か彼方の虚が二つに分かれ、爆散した

その様子を、1匹の死神のような怪物が水晶を使い見ていた

“フッ・・・虚は所詮あの程度の魔物か・・・

だが私を倒す時はこうは行かんぞ・・・”

その怪物の名はゲーテ

大半の悪魔系のモンスターを統べる者

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