一夜明けて・・・
アルテミスに言われた場所はルートがささっと直してくれた
ルートは寝ている間も常に精神波を放っていた
結界を張っているため、普通に入ってくる事は魔族には不可能だ

「昨晩は何事も無かったか・・・まぁ、何事もなく平和が一番なんだが・・・」

「そうよね、いったいおとといの夜の出来事って一体なんだったんだろう・・・」

ルートとあるまが晴れ渡る空を見上げながら言った
と、そこへアルテミスも出てきた

「ちょっと魔族側の事情を探る事ができたわ、ノースが捕獲した魔族が素直に白状してくれたってさ
どうも今魔族は二つの派閥に分かれてるみたいなの、で、こないだ襲ってきたのは
穏健派ではなく過激派なんだって、どーも適応不全な上位魔族がその過激派のリーダーみたいね
名前までは知ってないみたいだけど、大体組織図はわかったわ」

そういってアルテミスは大きな紙を広げた

「いい?彼らは多数の雑魚、ちりも積もれば何とやら・・・の理論で下層が構成されてるの
で、その上に10人ほど中位魔族が居て、そのさらに上に4人の四天王のような上位魔族がいるみたい
さらにその上に、最上位魔族が居るらしいの、で、私は月と狩りの女神、アルテミスの力を借りて
魔族の穏健派と通じる事に成功したわ、穏健派の魔族たちは困ってるみたいね、過激派の存在に」

ルートはそれを聞いて

「つまりは、その過激派を全滅させてくれという事か、ならば話は早い
ゲートをまず一方通行にして作成、出現先を魔界に固定、これでいつでもいけるぞ」

手際よくルートがゲートを出現させる

「とはいえ、すぐに突入するには装備が足りない
しばらく武具防具をそろえ、治療用のアイテムとありったけの結界符を用意しよう」

そういってルートは材料の買出しに出かけた、あるまもそれに続いて飛んでいった
それを見送ったアルテミスはサウスとノースに告げた

〜近い内に魔界に侵攻するよ、ありったけの自分の得意武器とお札を用意しなさい〜と

そして準備で数日が過ぎた、その間魔族の襲撃はなかった、穏健派が上手く押さえ込んでくれているのだろう

そして、突入の日が訪れた

「今から俺たちはこの一方通行ゲートをくぐり、魔界へ突入する
魔界へ突入した後はほぼ一切補給できないと考えたほうがいい
各自、思いっきり装備は充実させたね、いくぞ!」

ルートがそういうと円形のゲートが開き、まがまがしい世界が広がる、魔界である

みんなで一気にゲートを潜り、一気に空気がまがまがしくなった

「ここが・・・魔界・・・」

あるまが不思議そうにキョロキョロ見回す

「あるま、ペースを乱すなよ?はぐれたら再開できる保証はない、魔族は俺たちの心の
闇に付け込んで攻撃してくるからな・・・俺でも心理攻撃には勝てるかわからないしな」

ルートがそういってさらに陣形を整えるよう促す
今ルートたちは穏健派の町アザルエゲムに向かっていた
今の陣形はストレート、空気の抵抗を最も受けない形の陣形である
そのため超高速で移動する事ができる

しばらく飛ぶと、町らしきものが見えてきた
イケムルネスの町のような派手さは無いにしろそこそこ大きい町である

町に着いたルートたちはまず穏健派の党首、つまりお偉いさんと対談をした

「ようこそ、アザルエゲムへ、本来はここへくる事は許されないながら
神族との協定を重んじる最上層部が特別な許可を下さいました、
過激派のアジトはここからそちらの規格でいうと30kmほどの場所にあります
申し送れました、私はこのアザルエゲムの市長とでも言う立場の魔族です
私の名はメフィスト・フェレス、人間の世界では人間に仕え、
地獄に落ちた時その人間を召使にすることで有名な魔族です」

「どうも、俺達は堕天使フェレスト・ウォルスと人間のロード・フェリスディアの子孫だ
右から順にアルテミス、ルート、ノース、サウス、鴨直あるま、という名だ」

お互いに軽く挨拶を交わした所で、彼らはいろいろ支援物資を用意してくれる事がハッキリとした
ノースがメフィストに話しかけた

「魔族って、全部ドギツイのばかりかと思ってたけど、そんな事は無いのね」

メフィストが笑顔で言う

「一口に魔族といっても、土着神の類も居ます、また、過去に天界から追放された堕天使もいます」

「貴方達の事は信用してもいいのよね?一応聞きたかったんだけど」

「ええ、私達は過激派を掃討しようにも、力の強い部類はすべてあちら側なので、私達には手の出しようがないのです」

そこにルートが口を挟む

「魔族の中でやつらはどれくらいの強さだ?」

「強さというと、最低でも中位魔族程ですね、あなた方を襲ったのは本当に極少数の下位魔族が襲ったようです」

「なるほどな・・・なら、俺と姉さん、後あるまでいけるとは思う
俺はロード・フェリスディアの能力を、あるまはフェレスト・ウォルスの能力を使用できるからな」

「私はオマケってことかしら?ルート」

アルテミスがちょっと声の波長に怒りを混ぜ込んで言う

「いや、そういうわけではない、月と狩りの女神の加護を受けているからこそ、選出したようなものだ」

過激派の魔族との戦闘準備を着々と進めるルートたち
アザルエゲムの市民は皆ルートたちに期待しており、装備を提供してくれている
ノースとサウスはもしアザルエゲムが襲われた時のために留守番をする事になった
また、ノースとサウスにはルートから新たな力「サテライト レイ」を目覚めさせてもらったようだ

次回、過激派魔族との戦闘が始まる

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