ミックスマスター小説【Snow White Fight Episode2】

ルート達は吹雪の中、沈黙の塔の付近までたどり着いた

既に沈黙の塔付近にはエティン、真プロヴァ、ゲーテ、バンシー、ポニ、グリフォンが

まるで現実世界の渋谷を連想させるような量が犇めき合っていた

ルートはそれを見ると

“・・・数だけ揃えたって言うわけではなさそうだな・・・ゲーテやエティン、その他

トップクラスのモンスターだらけだ、ジャッジメント・レイで薙ぎ払うか・・・”

ルートがそう言うと騎士団全員は頷く

そうする事でしかあの軍団は突破できないのだ

ルートは右掌に力を集中させ光を収束、発射した

その刹那、一瞬にしてあの犇めき合っていたモンスター軍団がコアと化し道が開けた

“騎士団長に続け!行くぞー!”

騎士団の一部隊長が大声を上げる

ルートがやれやれ、とため息をつくと特注ヘルムのレンズが曇る

それほどヘルムの外は寒いのだ

意外と隙間があるように見える騎士団の鎧は基本は外気を通さないシステムになっている

適量の酸素、二酸化炭素、窒素、その他生命維持に必要な物質を適温に保ち給排気する

そのため溜息をつくと吐息の中に含まれる水蒸気がレンズに触れ、結露し曇るのだ

“まぁ騎士団の士気は上がってるからいいんじゃない?”

ルートの肩をぽん、と叩いてアルテミスが言う

ルートはそれにただ頷き、進む

沈黙の塔の扉は重く閉じられ、奇妙な魔法陣が描かれていた

六つの角を持つ魔法陣の中に八つの角を持つ魔法陣が描かれた物

だが六つの角を持つ魔法陣はすでに封印を解除されていた

“・・・クリスとか言う人の力か?六つの角の魔法陣が解除されてるなら

俺が残る八つの角を持つ魔法陣の封印を解除すれば扉が開くはず・・・”

ルートはその扉に手を触れ、気を集中する

ボウ・・・、淡い光を放ち魔方陣から光が失われる

ゴゴン・・・、扉が開いた

扉が開き目に入ったのは玉座に座っていた虚・・・

それとその隣に設置された牢屋に幽閉されている数人の女性

“女ばっかり集めるなんて・・・もしかして虚ってピーッ(自主規制)”

華鈴が言ったその言葉を聞いて虚はしばらくしてから頬を染めた

“うっわ・・・最ッ低・・・”

アルテミスが罵声を浴びせる

“・・・俺をダーク化させた虚がピーッとは・・・ジャッジメント・レイを使用するのも惜しいな・・・”

ルートがあきれた顔で言う

さらに騎士団全員からの罵声が跳ぶ

流石にその罵声に虚がキレてブレスを撃ってきた

だがルートはすばやくメテオニックソードで切り払う

その途端に戦闘が始まった

騎士団全員が攻撃を虚に集中する

ルートが一つ一つ丹精こめて作り上げた鎧には

ルートの力の一部が自然と鎧の能力として固着していた

女性陣は武器創造能力を使い槍を作っては投げ作っては投げを繰り返す

男性陣はその後方支援を受けつつソードやナックルで攻撃を加える

ルートは単独牢屋へ向かい牢屋の扉をメテオニックソードで切り払う

“君たち、何もあのでかいのにされなかったか?”

ルートが問うと牢屋に入れられていた女性たちは皆頷く

“戦いが終わったら知らせる、それまではもうしばらくそこに居てくれ!”

ルートがそう言うと一人の女性が声を上げた

“あなた・・・名前は?”

ルートが答える

“ルート・フェリスディア、正確にはルート・フェリスディア・ウォルスだ”

その名前を聞きその女性は名を言う

“私はクリス・ファレスディア、でも、古き名ではクリス・ファレスディア・ウォルスです”

ルートは

“そうか・・・君があのテレパシーの・・・だが今はその話をしている暇は無い

戦いの後でまた話し合おう!”

そういってルートは虚との戦闘へ戻っていった

虚にルートは勝てるのか?

二人が口にした“ウォルス”の名が意味することとは?

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