崩れ行くアラカレデムから脱出したアラカの町の住民とルート達、しかし脱出した先の世界は
今までルートがみた世界、ユウとリキたちの世界ともまた違う、何処か神々しい雰囲気の世界だった

「まさかこの神々しさ・・・神々の都、ファリアス・・・なのか・・・?
もしもそうならば今すぐに時空間転送魔法陣を起動し脱出しなければ・・・
手違いとは言え、堕天使は天界、つまり今俺達がいる世界にいてはならない・・・急がねば・・・」

そういってルートは一人、地下室のプログラムボードを起動し、プログラム機動を開始した

「急ぐ理由がどこにある」

何処か渋い、不思議な声がルート達に聞こえた

アルテミスは顔にものすごい量の汗を浮かべ、その場に立ち尽くした
ノースはルートのもとへ駆け出していった
サウスはそのまま、空を見上げていた

「何があったんですか!?この世界は・・・!?」

ユウとリキがアルテミス達のもとへ駆けつけた

「ここは・・・神々の都、私達堕天使や人間にとって禁断の地、ファリアス・・・!
みんな、私達のこの最後に残された建物から出ちゃダメよ・・・その時命がないと思ったほうがいいわ!」

アルテミスが簡潔に述べた

「神々の都・・・だって!?そんな世界が存在していたなんて・・・」

リキが信じられない、という顔で立ち尽くす

「でも、今僕達の目の前に広がる世界は、まさにその神々の都・・・否定しても仕方ないよ」

ユウがリキに言う
ノースがルートに聞く

「今お兄ちゃんが時空間転送魔法陣のプログラムを起動しているよ!
うまく行けばこのまま脱出できるよね?」

ゴロゴロ・・・

急に空が曇り始める、ついさっきまであんなに晴れわたっていたのに
刹那、稲光とともにアルテミス達の前に一人の老人?が降り立つ

「我が名はゼウス、堕天使フェレスト・ウォルスの末裔達だな・・・?
もう我ら神々はフェレスト・ウォルスの罪を咎めてはおらん、逃げる必要はないのだ」

その声は、ルートにも聞こえた、ルートが言う

「勘違いしないでほしい、俺はもう、あなた達とは無関係なはずだ!
フェレスト・ウォルスがロード・フェリスディアとの恋に落ちたとき、伝承にある通りの事をしたなら
俺達が許すはずがないことはゼウス、あなたが一番知っているはずだ!」

「そこもわかってはおる、だが、時空間転送魔法陣とやらはここでは使えないはずだ
ありとあらゆる干渉を跳ね返すこの街は、天使の末裔だけの力ではその干渉を跳ね返す力を超えることはできない」

「だったら、僕達が力を貸すだけだよ!」

「そうよ、だってユウと私は・・アトリビュートなんだから!」

そういってルートとノースのいる場所へユウとリキは向かった

ルートは地下室でひたすらプログラムコードを実行させていた

「くそっ!何で起動しないんだ!このエラーコードなんて用意した覚えはない!何なんだ!このエラーは!」

プログラムボードをダン!とたたきうめくルート、そこへユウとリキがたどり着いた

「ルートさん!先ほど、ゼウスがさっき言ってたんだけど
天使の末裔の力だけじゃここの干渉を跳ね返す力を超えられない、って!」

「そこで、私とユウの力も使うわ!あなたも私とユウがただの人間じゃないって言うのは感づいてるんでしょ?」

「だが・・・お前達の力はどうやってパワーに加える
このプログラムボードのソケットは俺のメテオオブソードにのみ対応しているんだぞ?」

ユウがニヤリと笑った、ユウの手にはいつの間にか金色に輝く透き通った剣が握られていた

「多分、僕のこの剣も使えるはずですよ、僕は全のアトリビュートなんですし」

そういってユウがソケットに剣の切っ先を突き当てるが当然反応しない

「だから言ったろ・・・俺のメテオオブソードにしか対応していないと・・・」

「そう、このままじゃ確かにダメだけど・・・こうすれば・・・!」

ユウが剣をクリッとまわす、するとどうだろう
今までエネルギー不足で起動できてなかったプログラムボードまで動き始めた

「よし、これで僕のパワーは加えられたはずだよ、後はルートさん次第です」

ルートは呆然とした、この地下室はルートがすべて設計し、プログラムボードもルートが1から作ったものである
それをたった1日、アラカレデムを過ごしただけで理解したことに驚きを隠せなかった

「私はエネルギーの微量な消失をすべてなかったことにできるわ、これで最高効率で稼動させられるはずよ」

ルートは我に返ってメテオオブソードをソケットに向かえ構える

「二人とも、ありがとう・・・後は俺のジャッジメント・レイのエネルギーを加えればいけるはずだ・・・!」

ガシャン

メテオオブソードがジャッジメント・レイ対応状態へ変形する、ルートはそれをソケットにあてがう
そしてルートは目を閉じ、柄を持つ手に意識を集中する
ポッと光り始めたその剣から、ソケットに向かってエネルギーが送られる
プログラムボードのエネルギーゲージがぐんぐん上昇していく

ヴン・・・・ジジジジッ!

プログラムボードが使用可能な状態まで起動した、ルートはすかさず制御装置をキーボードを使用して操作する

「座標そのまま、イケムルネスへ飛ぶ!その空間移動の際にユウとリキが入ってきたゲートを再構築!もともとの俺の家の座標にこの家を出現させる!」

魔法陣が展開された、6面体に魔法陣のテクスチャを貼った時のようにルートの家を魔法陣が取り囲む

「ゼウスさんよ、そろそろあなたの世界に帰ってくれ、このままではあんたまでイケムルネスまで引きずり込まれるぜ?」

「くっ・・・」

ゼウスは稲光とともに離脱した、それしか方法がなかったのだ

バシュン!

一瞬家が存在していた場所へ向かって空気が移動する、と、同時に家が消滅した


ルート達は何とか神々の都ファリアスから脱出できた
だが、その帰る場所は、あるまにとっては未練がなかったイケムルネスだった
この先起こることは、誰にもわからない

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キャラ出展:ユウ リキ 「元素空間著 ATTRIBUTE」


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